蘇 俊達さん

VISION 中国から世界へ
グローバルOTAが目指す
旅のトータルサービス

Ctripグループ日本 グループ代表

蘇 俊達さん

大学、大学院の計6年間、日本で留学生活を送る。前職のNTTコミニュケーションズを経て、Ctripグループに入社。2017年1月にCtrip International Travel Japanを設立、同代表取締役に就任後、同年10月より日本のグループ代表に就任。異色のキャリアを生かし、スピード感をもって事業拡大中。自らも旅行好きと語る。

INTERVIEW

中国最大手のOTAであるCtripグループですが、日本国内での事業展開について教えてください。

2014年に日本法人としてCtrip Japanを設立し、日本進出を果たしました。当時中国からの日本旅行は、ビザ取得の要件緩和などもあり、団体ツアーから個人旅行へ少しずつシフトしていました。日本法人としては、中国人旅行客へのサービス提供を強化すべく、日本国内の宿泊施設や観光施設、航空会社などの提携先を増やし、交渉窓口としての業務を担っていました。昨年には事業拡大のため各事業部を分社化し、現在は3社となっています。
まず、ホテル・旅館など宿泊施設の仕入れ販売を行うCtrip International Travel JapanはCtripグループ日本の主力事業です。東京、大阪の他国内に6支店を持ち、全国をカバー-する営業力になっています。次に航空券の仕入れ販売を行うCtrip Air Ticketing Service、そして、パッケージ商品や団体向けツアー販売を行うCtrip Japanです。
事業としては他にも、サイトの日本語運営を行う国際事業部、買い物を扱うグローバルショッピング事業部、レストラン情報を提供するCtripグルメなど多岐に渡ります。

多角的に展開されていますね。これから特に力をいれていかれる分野は?

今まさに、グローバルな展開を進めています。オンラインサイトCtripの名前は中国での認知は絶大です。さらに中国国内だけでなく、世界各国のお客様もどんどん増えてきています。そこで、この度中国国外では新たに「Trip.com」というグローバルブランドでサービスを開始しました。13か国語に対応し、提携ホテルは200か国120万軒を取り扱っています。日本でもTrip.comのサービスを開始していますが、まだ航空券、ホテル、電車のチケットの販売となっています。現在は銀聯、三井住友カードと提携したTrip.comのクレジットカードの発行など、どんどん新しいサービスを提供していく予定です。
航空券とホテルは基本中の基本ですが、我々は他にお客様に提供できるものはないかと常に考えています。特にショッピング、グルメの情報は旅行中必ずニーズがあるものです。Ctripで旅行のすべてをコーディネートできるようなトータルサービスを目指しています。

幅広い事業展開をされているCtripグループでは、どのような人材を求めていますか?どのような方たちが働いていますか?

一番には、国際的な感覚を持つグローバル人材が望ましいですね。様々な国の文化を理解できるということは不可欠です。この経験がなければならないということはあまりありません。今活躍している社員のバックグラウンドは、旅行業界やホテル業界に限らず、コンサル、商社、広告営業など様々です。それぞれの良さや強みがミックスされて、お互いに成長し合える強い組織を作っていきたいと思っています。
例えばホテル仕入・販売事業のセールスマネージャーのポジションは、単にできあがった商品を売るのではありません。自らが考え、行動し、体験を通して商品を作り上げ、提案していく形のセールスです。ですから、営業力以外にも企画・提案力、マーケティング力なども生かされます。同業界の営業経験でなくても、法人営業の経験やセンスがあれば合うでしょう。
そして何より、結果を出せる人材であるかどうかが求められますね。失敗を恐れずに、チャレンジ精神があり、挑戦し続ける意欲があれば、結果はついてくるでしょう。あとは「旅行が好き」ということでしょうか。
現在20代後半から30代前半の社員が多く、活気がありとても風通しのよい社風です。男女比は半々くらいで、国籍は日本人が4割を占めています。他は中国人の他、韓国、シンガポール、台湾などアジア圏の出身者が多く、いずれも日本国内で採用しています。

人事マネージャーの孫さんにお聞きします。面接ではどのようなところを見られますか?

まず、面接は3次まであります。初回の人事面接では、主にその方の経歴に加えて人柄などを確認しています。先ほどもありましたが、異文化理解や適応力がどのくらいあるかはポイントになります。語学力はあればなお可ですが、必須ではありません。ただし、これから学ぼうという姿勢があればよいですね。2次面接以降は各事業部のニーズに応じたチェックポイントをお聞きしていきます。

中国企業と日本企業、仕事を進めるうえでの文化的な違いなどありますか?

そうですね.やはり中国企業のスピードは速いです。日本の事業計画では年間を通じたKPIを設定したりしますが、Ctripではまず3か月で設定します。日本企業のように稟議をあげるのに時間がかかるということはなく、判断も早いです。また、変化も早いです。実際、やってみないとわからないことも多いですし、うまくいかない部分は修正をかけてやりなおしていきます。社員には失敗を恐れるよりもまずはトライするように伝えています。年齢も経験も関係ありません。

Ctripグループ日本
〒100-0004東京都千代田区大手町2-6-2日本ビル9F
https://jp.trip.com/

やまとごころキャリア担当より

東京駅の目の前にある大手町のオフィスは、カラフルで活気のある色使いと、ミーティイングスペースやカフェ&バースペース、リフレッシュスペースと変化に飛んだ空間デザインが特徴的です。広く明るく、親しみやすいスペースで、社員の皆さんも思い思いの場所で仕事に集中していました。もちろん、空間だけでなく社内の雰囲気がとてもアットホームだったことが印象的です。壁の一角には、社内イベントの楽しそうな写真がたくさん飾られていました。聞くところによると、卓球などスポーツ大会や懇親会などもよく行われているそうです。休暇の旅行に補助金が出るというのも、さすが旅行会社!グローバルな環境で働きたい方、仕事を通じて自身の成長を加速させたいという方にお勧めの企業です。